この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜
『あんた、家だってあんな高級なマンション用意してもらって。良かったじゃかいか。感謝するんだよ?』

やっぱり!
そういう事だったのか!

「いや、それは、うん。本当に、感謝してる」

『思い出して良かったよ本当に。いつまでも忘れちまってるんじゃ、桐生組のみんなも悲しいだろうよ』

そうだよね。

『桐生のホテルで働くって聞いた時は驚いたよばあちゃん。だから東京行くって聞いた時も安心したよ。向こうのじーちゃんからも嬉しそうに連絡来たんだよ』

向こうのじーちゃんて…
組長なんだよね?

『ちゃんとご挨拶したかい?』

げ。
挨拶どころか、家を見ただけで逃げてきてしまった。

「ちょっとタイミング合わなくてそれはまだ…」

『ずっと小春の事、心配して気にしてくれてたんだからね。しっかり挨拶するんだよ』

「…はい」

もうなんも言えねっす。
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