この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜
おかしいと思ったんだよ。

あんな人が、私に優しく声をかけてくるなんておかしいもん。

マンションだって、仕事だって、全部全部監視されてたんだ。

全ては桐生組の手の内に入って転がされていたんだ。

今だって、私の知らないところで見張られてるって事でしょ?

なにそれ。

はー、帰ろ帰ろ。

そしてまたタクシーを拾おうかと思ったけどやめた。

イライラするから歩いてやる。

ゆっくり着いてくればいい。
迷子になってやる。

そんであいつらも疲れちまえ。

携帯も出さずに適当に歩く。

この辺で曲がって待ち伏せしてやろうか?
わぁっ! って言って驚かせてやろうか?

なんてくだらないイタズラを考えながらひたすら歩いた。





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