この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜


銀さんは何も言わない私の前にしゃがむ。

「小春、チョロチョロすんなよ」

「だって…」

「俺たちはお前のじーさんから接触する事禁止されてんだよ」

え?

「忘れてたろ? 自分が何者だったのか」

「うん…」

「それにお前は桐生の血を引いていても一般人なんだ」

どういう意味?

「お前に何かあっても、直接接触する事は禁じられてる」

「え?」

「襲われたりする前に変な奴をとっ捕まえる事は出来ても、それ以上は何もできない。お前が呼ばない限り」

「でも新さんも銀さんも話しかけてきたじゃん…」

「それは…」

桐生の血が欲しいからでしょ?
ほら、言えないんじゃん。

「もういい。送ってってください。迷子になったの。お願いします」

私からこうして頼めばいいんでしょ?

「小春…」

銀さんは何か言いたそうな顔をするも言葉を飲み込んだようだ。
スッと立ち上がると私の手を引いて車まで連れてってくれた。

あれ?
いつもと車が違う。
今日のは白の大型SUVの外車だ。
運転手はいないの?
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