我が手の中に花束を~この花さしてあげよ~



ひと学年12クラス。そのうちのふたつのクラスが3年と同じ階にあり、3年と同じ階にある私のクラスに顔を出してから、後編で好感度をあげやすくなる攻略対象者に会いにいく。



「おはようございます!明桜先輩と斎藤先輩はいらっしゃいますか?」


「ん?あぁ……葵ちゃんどうしたの?明桜(あいつ)ならまだ来てないけど?」


そう言って廊下に出てきてくれた斎藤椿が教えてくれる。そんな斎藤先輩の腕を握り明桜海里を一緒に探して貰えるように頼めばにっこりと笑い見つけたら連絡する?それとも教室に顔見せるように言う?と聞かれ、直ぐに私の教室に来て貰えるように伝えれば斎藤椿は微笑んで私を見る。



「わかった。じゃあ、明桜見つけて顔を見せるよ」



そう言って微笑んだ斎藤椿にお礼を言って教室に向かう。斎藤椿に任せておけば明桜海里はすぐに捕まるだろう。そうなれば明桜海里と共にクラスに来て……学園で人気の2人と仲良さげに話す私をみんなが羨ましがり、そして、顔面偏差値を見比べて諦めるに違いない。


そう思いながらまっていれば明桜海里を連れて斎藤椿が現れる。扉から私を呼ぶ声に立ち上がり微笑んで駆け寄る。



「斎藤先輩!ありがとうございます!」


「なんてことないよ」


「…………オレに用事って何?」


「大した用事じゃないんだけどね?今日、放課後遊べないかなーって」


「……ごめんね、放課後は用事があるんだ」


「え、じゃあ斎藤先輩…………」


「あー、ごめんね俺も用事……」



そう断る2人に心の中で舌を打つ。まぁ、仕方ない。この2人の好感度はあげにくいばかりか放課後デートを誘っても乗ってくれる確率は低い……軽く話して去っていく二人を見送って、羨ましそうに見つめていたクラスメイトの女子立ちに微笑み、在校生各クラスの代表以外休みにすればいいのにねーと他愛ないない話をして放課後まで時間を潰す。




そして放課後、私は幼なじみの河原裕也と皆原司を連れて妹のクラスに向かう。1年にも中川翔太と菊池冬季と言う攻略対象者がいた気がするが、リセマラしてもほぼ確率的に同じクラスにならないのでまさか同じクラスではないだろうとよく調べもせず妹に声をかけた。



友情ENDに出演する女生徒と仲良くなっているようだが……私には興味無い。女と仲良くなっても友情ENDしか迎えないのだから見ていても面白くない。なんて思いつつ、縦ロールちゃん、三つ編みちゃんとシナリオ通り仲良くなっている人物たちを見つめる。


あぁ嫌だ。なんでそう同性と仲良くできるの?女と仲良くなったって楽しくないじゃない。そう思いながら2人にニッコリ微笑んだ。



「そうなんだ!それは良かった!千春ちゃんのお友達はみんな私目当てだったから…………貴女みたいな子だと安心ね!」



良かったね。千春!と微笑み、一緒に帰ろ?と手を差しだすが、寄りたいところあるから……と断られ、舌打ちしそうになった。それをごまかし幼なじみの二人と手を握り。教室から出る。



放課後、塾の講師とのイベントが始まる。それも低確率だし、必須アイテムのライターを持っていなかったらイベントなんて起きない。私は勉強より恋を選んだから塾の講師のイベントは起きることがないが…………所詮塾の講師でしょ?大したことないわよ。それよりこんど、離れ校舎の日本人形に会いに行かないとダメね……そう思い、幼なじみと喫茶店デートを楽しんだ。









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