高貴な財閥夫婦の猫かぶりな日常
ある休日のただラブラブする一日
梅雨に入り、ジメジメした日が続いている休日。

そんな鬱陶しい季節なのに、秀一郎と依鈴は朝からいちゃいちゃしている。

「フフ…フフフ…秀一郎さん、くすぐったいですよぉ〜(笑)」

「フフ…しょうがないでしょ?(笑)
依鈴のことが好きで堪らないんだから…!!
我慢して?」

初めて身体を重ねてから二人は、秀一郎のセミダブルのベッドで寝ている。

その狭い空間が、二人にとって天国のようだ。

秀一郎が目を覚ますと、依鈴が微笑み見つめていて、秀一郎は抱き締めキス責めしていた。

「でも、不思議…」

「んー?」

「こんな狭いベッドに二人で寝てるのに、一度も落ちたことありません(笑)」

「当たり前でしょ?
僕がしっかり抱き締めてるからね!
絶対!落とさないよ?」

「でも秀一郎さんは、狭かったですよね?
寝苦しくなかったですか?」

「うーん…確かに、狭いとは感じてたけど……
このままでもいいよ?」

「え?そうですか?」

「うん!
依鈴と、ずーっとくっついていられるから……!」

「……/////」
(そうゆうこと、サラッと言うんだもんなぁ〜!)

「やっぱ、ダブルにしなきゃよかったね(笑)」

「ん?」

「今日、ベッドが届くでしょ?」

「あ!はい」

これからはベッドを一つにして、一緒に寝ようということになり、ベッドを買いに行った二人。

蒲郡一族が懇意にしている有名な高級家具店で特注し、寝心地や質感などを細かく厳選して購入した。

くっついて寝るから、そんな大きくなくていいと言う秀一郎。

店の従業員に、せめてダブルはないと狭くて良い睡眠がとれないと言われ、しかたなく了承したのだ。

「セミダブルでも、良さそうじゃない?」

「そうですか?」 
(でも寝方によっては、秀一郎さんはみ出てるし……)

「だってよく考えたら、横幅20cmの差だよ?
まぁ…今更言っても遅いけど(笑)」

「だったら、真ん中でくっついて寝ましょう?」

「フフ…そうだね!
ギュッて抱き締め合って寝ようね〜!」


それから―――――
やっと起きて、一緒に朝食を作り食べることに。

二人とも、器用にテキパキと調理していく。
そんな中、不意に依鈴が秀一郎を盗み見た。

調理している横顔がキリッとしていて、とても綺麗だ。

(綺麗…//////
カッコ良すぎ!!!)

思わず見惚れていると……

「……っつぃ…!!」
脂が手に飛んで、軽くヤケドしてしまった。
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