高貴な財閥夫婦の猫かぶりな日常
中に入ると、すかさず従業員が寄ってきた。
「蒲郡様、いつもありがとうございます!
本日は、ご宿泊ですか?それとも、レストランのご利用ですか?」
「ランチを食べに来たんだ!いいかな?」
「もちろんでございます!
では、こちらへ……」
従業員が誘導し、エレベーターに向かう。
「蒲郡様、失礼ですがこちらの女性は……」
「あぁ、まだちゃんと紹介してなかったね!
妻の依鈴。
四方木財閥のご令嬢だよ!」
「やはり、そうでしたか!
ご結婚おめでとうございます!
本日はお越しいただき、ありがとうございます!」
「えぇ!」
「ここはね、会食や会議に色々利用させてもらってるんだよ!」
「そうなんですね!
素敵なホテルですね!
華やかな内装で、接客も行き届いてて!」
「ありがとうございます!
ごゆっくり、お寛ぎくださいませ!」
レストランがある階で降りて、従業員が丁寧に頭を下げ去っていった。
レストランに入ると、オーナーが出てきた。
「蒲郡様、いつもありがとうございます!」
連絡はもういっていて、そのまま奥の席に通された。
椅子を引いて、依鈴に「どうぞ?」と微笑む。
「ありがとう!」
依鈴が腰掛けた。
「――――何食べようか?
依鈴は、何が食べたい?」
「秀一郎さんのおすすめは何ですか?」
「そうだねぇ……
ここのは、基本的にどれも美味しいけど……
このオムライス、結構いけるよ?」
「じゃあ…オムライス食べたいです!」
注文し、オムライスが来る。
「…………ん!美味しい!」
「でしょ?
ここのは今どきのふわトロじゃない、昔ながらのオムライスなんだけど…
それがなんだか、懐かしい感じがして美味しいんだよね!」
「はい!
この少し卵が硬い感じが、いいですよね!
でも、ちゃんとふわっとしてるこの感じ!」
「あ!わかってもらえる!?」
「はい!!もちろんです!」
(嬉しい!秀一郎さんと感覚が同じだなんて!!)
「「上にかけるのは、もちろんケチャップ!」」
綺麗に声が揃って、二人は微笑み合った。
「――――嬉しいな!」
レストランを出て、エレベーターに乗っている二人。
秀一郎が依鈴を見下ろし、ポツリと言って微笑んだ。
「ん?」
「依鈴と感覚が同じだなんて!」
「フフ…!はい!私もです!」
依鈴も見上げて微笑むと、秀一郎の顔が近づいてきた。
「……………じゃあ…僕が今、何をしたいかわかる?」
依鈴は少し顔を赤らめて、ゆっくり目を瞑った。
秀一郎がフフ…と笑って、依鈴の頬に触れる。
そして――――二人の口唇が重なった。
「蒲郡様、いつもありがとうございます!
本日は、ご宿泊ですか?それとも、レストランのご利用ですか?」
「ランチを食べに来たんだ!いいかな?」
「もちろんでございます!
では、こちらへ……」
従業員が誘導し、エレベーターに向かう。
「蒲郡様、失礼ですがこちらの女性は……」
「あぁ、まだちゃんと紹介してなかったね!
妻の依鈴。
四方木財閥のご令嬢だよ!」
「やはり、そうでしたか!
ご結婚おめでとうございます!
本日はお越しいただき、ありがとうございます!」
「えぇ!」
「ここはね、会食や会議に色々利用させてもらってるんだよ!」
「そうなんですね!
素敵なホテルですね!
華やかな内装で、接客も行き届いてて!」
「ありがとうございます!
ごゆっくり、お寛ぎくださいませ!」
レストランがある階で降りて、従業員が丁寧に頭を下げ去っていった。
レストランに入ると、オーナーが出てきた。
「蒲郡様、いつもありがとうございます!」
連絡はもういっていて、そのまま奥の席に通された。
椅子を引いて、依鈴に「どうぞ?」と微笑む。
「ありがとう!」
依鈴が腰掛けた。
「――――何食べようか?
依鈴は、何が食べたい?」
「秀一郎さんのおすすめは何ですか?」
「そうだねぇ……
ここのは、基本的にどれも美味しいけど……
このオムライス、結構いけるよ?」
「じゃあ…オムライス食べたいです!」
注文し、オムライスが来る。
「…………ん!美味しい!」
「でしょ?
ここのは今どきのふわトロじゃない、昔ながらのオムライスなんだけど…
それがなんだか、懐かしい感じがして美味しいんだよね!」
「はい!
この少し卵が硬い感じが、いいですよね!
でも、ちゃんとふわっとしてるこの感じ!」
「あ!わかってもらえる!?」
「はい!!もちろんです!」
(嬉しい!秀一郎さんと感覚が同じだなんて!!)
「「上にかけるのは、もちろんケチャップ!」」
綺麗に声が揃って、二人は微笑み合った。
「――――嬉しいな!」
レストランを出て、エレベーターに乗っている二人。
秀一郎が依鈴を見下ろし、ポツリと言って微笑んだ。
「ん?」
「依鈴と感覚が同じだなんて!」
「フフ…!はい!私もです!」
依鈴も見上げて微笑むと、秀一郎の顔が近づいてきた。
「……………じゃあ…僕が今、何をしたいかわかる?」
依鈴は少し顔を赤らめて、ゆっくり目を瞑った。
秀一郎がフフ…と笑って、依鈴の頬に触れる。
そして――――二人の口唇が重なった。