謎のイケメンニートが「オレに任せろ」とか言ってくるんですが、大丈夫でしょうか?
プロローグ セフレ、始めました。


「あっ、待っ、……ンっ」


この部屋に入ってから、もうどれくらい時間が経っただろう。

夜が大分更けた時刻になってもまだ、あたしは解放されず。
広いベッドの上で貫かれたまま、間断なく揺さぶられていた。

「っ――や、やだっ……ぁ」

「嫌、じゃないだろ? ほら、こんなに悦んでるくせに」

ゾクリと背筋が痺れるような色っぽい声音で意地悪く囁きながら、男はさらに深く、あたしのナカを抉る。

「もっと素直になれよ。気持ちいいって、言えばいい」

認めるのが悔しくて懸命に唇を引き結び、漏れそうになる声はかろうじて堪えたものの、実際は彼の言う通りだ。
気が遠くなりそうなくらい、気持ちいい。

まさかこんな風に我を忘れて乱れちゃうなんて、全然想像もしてなかった。

だって相手は、出会ったばかりの男なのよ?

悪魔ですら魅了されてしまいそうなほどの美貌の持ち主とはいえ、本名さえ教えてくれない、得体の知れない男で。
ついこの前まで、あたしは別の人と結婚だって考えていて……

もっと罪悪感めいた感情で胸が痛むかとも思っていたのに。
感じるのはただ快感だけ、ってお手軽過ぎない!?

間違いなく、この男が上手すぎるのよ。
散々女を食い散らかしてきただけのことはあるわ――

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