謎のイケメンニートが「オレに任せろ」とか言ってくるんですが、大丈夫でしょうか?

「キョウっ……何するのっ!?」

裏返った悲鳴が、静かな室内にこだまする。

浴衣を脱がされたあたしは、スリップ姿でベッドへ押し倒されていた。

それだけじゃない。

キョウは自分の浴衣の帯を解くと、あたしの手首を縛り、それをなんとパイプベッドのヘッドボードへ括り付けてしまったのだ。

「何考えてるの!? 早く解いて!」

さながら昆虫標本のように囚われてしまったあたしは、両腕を上げたままの情けない恰好で彼を睨みつけるしかない。

「この状況で、止められると思うか?」

キョウは淡々と言い、自分の浴衣を肩から落とし、下に着ていたTシャツを脱ぎ捨てる。
何度目にしても慣れない煽情的な光景――あたしは鼓動の高まりを隠すように必死に顔を背けた。

「絶対に解いてやらない。翠が認めるまで――とろとろに感じてるって。もっとぐずぐずに感じさせて欲しいって」

「何、そ、れっ……」

告げられた内容の卑猥さに目を瞠ったのも束の間、明確な意思を持った手にスリップの裾をゆっくりまくられ、ひ、っと息を呑んだ。

忍び込んで来た熱い手が、太ももを、内股を、愛撫するようにするり、するり、と触れていき――ビクッと身体が、陸に打ち上げられた魚のように何度も跳ねる。

「っは、ぁぅ……ンっ」

足の間に彼の身体があるため、足が閉じられず、悪戯に彷徨う指先に唇を噛んで悶えるしかない。
かと思えば、もう片方の手はスリップのカップを押し下げ、あたしの胸を露わにして――

「もうココ、硬くなってるな?」

頂を濡れた舌先でしつこく弄ばれ、強すぎる衝動に声を殺して耐える。

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