謎のイケメンニートが「オレに任せろ」とか言ってくるんですが、大丈夫でしょうか?
「ふ、どうした、翠?」
そんなあたしを揶揄うように、愛撫の手を休めることなく、楽し気な声が嘯いた。
「オレに抱かれるのは嫌なんじゃないのか? この身体は悦んでるように見えるが、気のせいか?」
気のせい、じゃない。
身体の奥から、とろりと溢れるものを感じる。
けれどそれを認めてしまったら彼の思うつぼだという気がして、現実逃避するようにただギュッと目を閉じた。
すると、まるで直接確認する、と言わんばかりに長い指があたしの足の間を滑り、ショーツをずらして、ナカへ入ってきた。
「あ、待っっ、やぁあっ……っ」
あたしを知り尽くした指は容赦ない。
ほどなく、耳を覆いたくなるほどのいやらしい水音が、嬌声に交じって聞こえ始める。
もう感じすぎて頭がおかしくなりそうだ。
とにかくそこから逃れたくてめちゃくちゃに腕を引っ張るが帯は解けず、泣きたくなった。
「イカせてほしい?」
残酷なほど優しい声が降ってきて、あたしは涙目を彼へと向ける。
「キョウっなんで、こんなこと……っ」
「なんで? ――お仕置きだよ」
お仕置き?
なんことかわからず瞬きを繰り返すあたしを冷ややかに一瞥し、彼が指を抜く。
「やっ……」
高められ煽られまくった末、いきなり放置された全身はふるふると震え――耐えがたい失望感が唇から洩れた。
「キョウ、お願っ――」
「オレの事、避けてただろ」