謎のイケメンニートが「オレに任せろ」とか言ってくるんですが、大丈夫でしょうか?
え……
「気づかないとでも思ってたか?」
バレてた。
昏い眼差しに射抜かれたあたしは息を呑み、とっさに何も返すことができなかった。
お祭りの間は上機嫌だったから、もう大丈夫だと思ってたのに。
やっぱり怒ってたんだ、ここしばらく誘いを断ってたこと。
「あ、のっ……」
「まさか」
伸びてきた指先があたしの顎を捕らえる。
目を逸らすことなど許さない、と告げるように。
あたしはもう、ライオンの前に放り出されたウサギ状態だ。
「気になる奴でもできたか? 他に、抱かれたいと思うような男」
……は?
「え、何言って、るの……?」
驚きに目を見開くが、とぼけているとでも見えたのか、彼の眦がきつく尖っていく。
「三千万、代わりに払ってくれそうな男なのか?」
「え、ちょっと待って。何言ってるのか……」
他に? 男?
それで怒ってるの?
え、どういうこと?
戸惑いつつ口ごもるあたしへ、「だが、残念だったな」とどこか自嘲気味に微笑むキョウ。
「もうこの身体は、オレのもの。オレなしじゃいられない身体だ。諦めるしかないな」
そんな、投げやりな口調が聞こえ――
「っ……ン、んんっ!」