謎のイケメンニートが「オレに任せろ」とか言ってくるんですが、大丈夫でしょうか?
次に気づいた時にはもう太陽は高く昇り、時刻は10時過ぎ。
さすがにヤりすぎた、と反省したあたしたちは、デリバリーサービスで取り寄せたファストフードでブランチを堪能。
ちなみに、あたしの下着はキョウによって洗濯機に放り込まれていたため、彼のTシャツをワンピースのように着て我慢。
丈が短すぎるし下着もないしで、あまり心地よくはなかったけど、なぜか彼はニヤニヤ嬉しそうだったので、よしとする。
その後は、一緒に映画を見たりゲームをしたり、のんびり過ごした。
(テレビがない、と思っていたら、天井にプロジェクターが設置されていて、壁へパソコン画面を投影できるとのこと。あっという間に本格的なミニシアターが出来上がり、ちょっとビビった)
たくさん笑って話して、触れ合って……目的もなくただダラける時間すら、彼と一緒なら愛おしい。
本当の恋人同士だったらよかったのに。
彼が見つめるのが、あたしだけだったら……
それは、叶わない夢、だろうか?
頭のどこかで、誰かが囁く。
彼が過去を明かし心の内を見せてくれたことで、あたしはどこか、傲慢になっていたのかもしれない。
自分は彼の、特別になれたんだと。
好きだと告白したらきっと、彼だって喜んでくれるに違いないと。
それが大いなる独りよがりだと気づくまで、あと数時間に迫っていた。