謎のイケメンニートが「オレに任せろ」とか言ってくるんですが、大丈夫でしょうか?

専業、主夫?
そう来たか……

予想の斜め上、どころか異次元レベルの提案に、戸惑いを通り越して笑ってしまった。

「あはははっ……翠ってほんと、男前だな!」

「それ、褒めてるの?」
「めちゃくちゃ褒めてるよ。さすがオレの惚れた女」

やりたいこともできたし本当に専業主夫になる気はないが、それでもいいと言ってのける彼女の懐の大きさに心を鷲掴みにされた。

と同時に、自分がずっと探し求めていたのは翠だったのだと自覚する。

外見や職業に関係なく、一緒にいたいと言ってくれる誰か。
丸ごとのオレを、そのまま受け止めてくれる、誰か。

彼女こそが、オレの運命の人。
彼女に惹かれたのは、どうしても欲しいと足掻いたのは、だからだったんだ。

あーもう最高!
制御しきれない感情のままにバードキスを繰り返す。
そこへ、「ただし」と悪戯っぽい声がまたまた割り込んだ。

「何か夢中になれることは、探してほしいかな。例えば――アクセサリーのデザインとか?」

ドキリとした。
それはまさしく、オレがこれから本気を出してやってみたいと思った分野だったから。

君はなんなんだ? 千里眼なのか?
とても適う気がしなくて、天井を見上げ「あーくそっ……音が聞こえる」と嘆息する。
「お、音?」
「ずぶずぶって、翠沼にハマっていく音」

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