謎のイケメンニートが「オレに任せろ」とか言ってくるんですが、大丈夫でしょうか?

え、ちょっと待って。
そもそもバスローブの下、今、下着つけてるの、大丈夫?
つい癖でそのままつけてきちゃったけど、すぐデキる方がよかった??

あぁあああどうしよう……

せっかく用意してもらったのに、とてもじゃないがワインを飲んでリラックス、なんて無理。

こんな女抱けるか、って即効飽きられる、だけならまだしも。
契約違反だ、ってお金請求されちゃったら?

藍のこと探してくれるっていう約束も、反故にされるかも……

ごちゃごちゃと糸のように絡まるマイナス思考に囚われたあたしは膝に顔を埋め、うぅうと呻いて。
どれくらいそうしていただろうか――


「どうした? 気分悪い?」

唐突に振って来た心配そうな声。
バッと顔を跳ね上げる、と。

「っ」

スキントラブルとは無縁の、輝かんばかりの美貌に間近に覗き込まれていて、ギョッと身を引いてしまった。

首から胸元にかけて、滑らかな肌が純白のバスローブからチラ見えている。
伝わってくる温まった体温、爽やかなボディソープの香りもフェロモンに変換されて……いや、あたしも同じ匂いなはずですけどね!?

彼の場合存在自体がエロすぎて、もはやどこを見ていいのかわからないっ。

「や、大丈夫。あの、えと、っ……は、早かった、ね」

「そうかな。ま、せっかく捕まえた小鳥が逃げないか、心配になったのかも?」

悪戯っぽく笑って隣に腰を下ろしたキョウは、「飲まないのか?」と赤ワインのボトルを手に取る。

「あ、うん。あたしは大丈夫。キョウは気にしないで飲んで」
「そう? じゃ遠慮なく」

グラスに注がれる赤ワイン。
傾けられるグラス。
こくり、と動く喉ぼとけ。

まるでR指定映画のワンシーンのように官能的なその光景から、あたしは無理やり視線を剥がし、バスローブの裾を落ち着かなく伸ばした。

「あの、あのね。念のため先に断っておくけど」

「ん?」

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