謎のイケメンニートが「オレに任せろ」とか言ってくるんですが、大丈夫でしょうか?

「そんなに、期待しないで欲しいの。あたしの、その、カラ、身体に。一応女の身体はしてるけど、特別胸が大きいわけでもないし、感度がいいわけでもないし」

「感度」

「う、うん。ふ、ふ不感症ってわけじゃないんだけど、正直、今までセックスが気持ちいいって思ったことなくて。相手にもそれが伝わっちゃうみたいで、『萎える』って言われたことも――んんっ!?」

いきなりぶつっと言葉が切れた原因は、身を乗り出してきたキョウにいきなり口づけられたから。

すぐに赤ワインが口内へ流れ込んできて、ギョッと目を剥く。

「く、っン」

こく、こく、っと与えられる液体を必死に嚥下。
浅くなんとか息を継いでいたら、その隙間にするりと舌が沿わされた。

「、っ……」

とっさに離れようとしたあたしの後頭部は大きな手に支えられ、そのまま押し倒されるような形でソファへ倒れ込む。
すぐに舌が探るように入ってきて、キスは一気に深度と粘度を増していく。

「んんっ……」

ちゅく、ちゅっ……

何度も角度を変え、淫靡な水音とともに重なる唇。

彼の舌が焦らすように歯列をなぞるたび、柔らかな粘膜をくすぐるたび、全身へビリビリと甘やかな痺れが走って、腰が揺らめく。

な、何これ、なんなの?
こんなの知らない。

どうして……なんで、頭が真っ白になりそうなくらい、気持ちいいの?


「めちゃくちゃ感じてるようだけど?」

「っ……」

悔しいけど、言い返せない。図星すぎて。

嘘でしょ。まだキスしただけなのに!
絶対、今立ち上がったら腰が抜けてる自信がある。

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