謎のイケメンニートが「オレに任せろ」とか言ってくるんですが、大丈夫でしょうか?
バスローブがするっと腕から抜かれ、上下の下着のみという姿になったあたしは、気づいた時には彼の腕に抱き上げられていた。早っ!
「え、え、あのっ」
「やっぱり最初だし、ベッドでじっくり可愛がらせて」
ひぃっ高い高いっ! 浮いてるっ!
「ぉお下ろして! 重いから!」
「んー? 全然。大丈夫、落としたりしないって」
う、嘘……ほんとに軽々と運ばれてる感じ?
細身だと思っていたのに、ぴたりと密着した彼は十分筋肉質だ。
ニート=引きこもり=ひ弱、じゃないの!?
だ、騙されたっ。
ワタワタと現実逃避気味に考えているうちに、ベッドへ降ろされてしまった。
ギシ……
微かにベッドのスプリングがたわみ、あたしの両側に手をついて囲うようにしながら、キョウが覆いかぶさって来る。
いつの間に脱いだのか、バスローブはすでになく、素肌が触れ合う感覚に心臓が皮膚を突き破りそうなほどバクついた。
「……みどり」
さっきまでとは違う、どこか余裕のない声音で呼ばれて、顔を上げる。
真上にある瞳の奥に見え隠れするのは、凶暴に滾る熱――
確かな彼の欲情を感じ取って、そこから視線を外すことができなくなった。
ただただじっと魅入られていると、やがて、まるで磁石が引き合うように距離がジリジリと近づいて。
再び唇が、身体が、深く重なる。
長い長い夜の、始まりだった。