謎のイケメンニートが「オレに任せろ」とか言ってくるんですが、大丈夫でしょうか?

「お願い、もう……」

早く、と彼に縋り付きながら涙目で懇願すると、悪魔のように美しい微笑がこちらを見下ろした。

「オレが、欲しい?」

深く考えることもなく、ただただこの果てしない快楽の沼から抜け出したくてこくこくと首を縦にする。

「はぁ、たまらないな……」

唸るようなつぶやきとともに、仄暗い笑みを湛えた眼差しが近づいてくるのが見え――ねっとりと首筋に吸い付かれた。
そのまま唇はデコルテの上を滑り、胸へと降りていく。

「んぁっ……」

舌が、その膨らみを味わうように這いまわる感覚に、腰が溶けていくような快感が広がる。
その間も空いている手はもう片方の胸を揉みしだき、中心の蕾をきつく押しつぶして……

緩急をつけた彼の攻め方は巧妙で、もうあたしはされるがまま、もたらされる快楽に溺れることしかできない。

出口の見えない情欲だけが全身を巡り、焼き尽くされてしまいそうだ。

あぁ早く……早く、欲しいのにっ……なんでくれないのっ……。

浅ましく頭の隅でつぶやく一方で感じるのは、ぼんやりとした疑問だ。

どうしたんだろう、なんか今日はいつもと違う。
いつもよりもっと、意地悪、っていうか、ねちっこい、っていうか……

と、その時。


「……なぁ、どう思った?」

荒い呼吸とシャワー音の合間に、それまでより低めの声音が言った。

そこに滲む微かな苛立ちを感じ取ったあたしは、半拍遅れて「え?」と聞き返す。

「あいつが見合いしたって聞いて、どう思った?」

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