謎のイケメンニートが「オレに任せろ」とか言ってくるんですが、大丈夫でしょうか?
イケメンの素人、もアリか。
そっか、そうよね。
社会人っていう年齢でこの時間にすぐ動けるなんて、シフト勤務でたまたま今日が休みの人か、あるいは仕事してない、ニートみたいな――……
ん? ニート?
ニート、か。
ニートといえば……いる、ね。一人。
超絶イケメンで、暇してそうなニートが……
条件的には、ぴったりだ。
あの美貌なら、どんな高級ジュエリーの華やかさにも負けないはず。
直感だけど、予定していたモデルさんより、断然似合うと思う。
……どうしよう……。
いいんじゃないかな、とあたし的には思うけど……
「ね、奈央っ」
「ん? 何?」
とりあえず悩んでる時間も惜しい、と声を潜めて奈央を手招き。
スタジオの隅へ引っ張っていく。
「あたし、キョウに声かけてみてもいいかな?」
「え、キョウ、さん……? ……そっか、イケメンニート!」
意図を飲み込んだ彼女が、パッと目を輝かせる。
あたしたちは、“やるしかない”と頷き合った。
よし、とり急ぎ彼を捕まえよう!