異世界でイケメンを引き上げた!〜突然現れた扉の先には異世界(船)が! 船には私一人だけ、そして海のど真ん中! 果たして生き延びられるのか!
◇2 扉の先は……異世界ぃ!?
勤めている会社から帰ってきて、起きたら変な扉が出現して、その先にあったのは誰もいない大きな船。
船の外の景色は、当然海。
360°、どこまでも、海。
「なーんか、どこか陸地ないかな」
止まったままの船。どこかに進んで陸地に行ってみたい気持ちはある。そしたら、何か必要なものや食糧なんかも手に入る。
と言っても、通貨ってどんなものなんだろう。日本語は通じるだろうか。
気付いてはいる。扉の先のこの世界は、自分のいた世界と違う所なんだって。だって、こんなシステムウィンドウだなんてあるわけないし、船が勝手にお掃除とか色々やってくれてるみたいだけど、そんな船あるわけない。
地球と異世界を繋ぐ扉。凄すぎる。
でももし陸が見つかったとしても、港に入っていいかどうかの許可が必要になってくるはず。お金が必要になったとしても持ってないし、言葉が通じなかったら許可申請すら出来ない。
なんか、詰んだ気がする。
そう思いつつ、小さいシャベル(なんか探したらあった)を持ち昨日見つけた畑に向かった。
______________
栽培可能区域です!
______________
いきなり出てきたシステムウィンドウ。こんなの出るんだ。やっぱり異世界は違うなぁ。と思いつつよっこいしょとしゃがみ作業を始めた。
種なんてないけど、野菜から出てくる種を埋めたら出てくるかな。そんなのあったっけ。
______________
レベルがアップしました!
______________
え? レベルアップ? 何それ。
確かに私のシステムウィンドウ、ステータス的なものにレベルが書いてあったけどさ。
______________
栽培 Lv.1
______________
栽培レベルが上がっちゃった。耕しただけなんだけど。そんなのでレベル上がっちゃうとか、いいの? だって、まだ畑の3分の1しか耕してないんだけど。
じゃあこれ全部やったらどうなるの? という疑問が出てくる。だって、レベル上げとか楽しそうじゃん? ということで気合いを入れてやってみた。
______________
STATUS
名前:江口奈央 Lv.3
職業:船長
称号:なし
______________
栽培 Lv.3
______________
自動管理システム
自動防衛システム
______________
こういうことか。
マジかよ、チョロいな。じゃあ種植えて芽が出て実がなって収穫したらどれだけレベル上がってるのさ。恐ろしくなってきたよ。
だけど困った。耕したはいいものの、何を植えたらいいものやら。
そんな時、またまたシステムウィンドウが出現。その内容に目が飛び出そうになった。
______________
一部を埋めて育てることが可能です!
______________
は? いや、は? なにそれ、じゃあトマトのヘタとか埋めたらトマト実るの? マジ? じゃあ今日のお昼ご飯はトマト決定。
私はすぐに、家にある冷蔵庫に直行した。よし、トマト発見。あ、きゅうりも埋めてみる?
もしこれで芽が出なくても、まぁそれはそれでね。てか地球じゃそんなものあり得ない事だし。もし出なかったら次の事を考えよう。
「はぁ~、最っ高」
ウチにあった小さなローテーブルを持ち出し甲板に置き、お昼ご飯を持ってきた。ちょっと重かったけど頑張った。
けど、海を眺めながらの食事だなんて最高すぎ。こんなの知らなかったよ。
一応料理は好きだけど、ずっと一人での食事だったからなぁ。まぁ両親がいた頃も楽しく食事出来たけど、一人でもこんなに満たされるなんて思ってもなかった。
と言っても、最低限の量でしか出来ないんだけどね。あれしか食糧ないから、制限しなきゃ。
「船が揺れないって事は、自動防衛システムが作動してるおかげってことかな?」
そのおかげで船酔いとか一切なし! ほんとよかったぁ!
あ、そういえばまだあの船橋の方行ってなかったよね。ほら、一番高い所にある場所。どんな風になってるんだろう。機械とかいっぱいあるのかな。でも、ここは異世界。もしかしたら変わったものがあるかもしれない。
この後行ってみようかな。行き方分からないけれど。迷子にならないよう気を付けなきゃな。まぁでも私は方向音痴という訳ではないから大丈夫だと思う、うん。
ご馳走様でした、と手を合わせ後片付けをした。家から持ってきたこのローテーブルはまた戻すの大変だから近くの空いてる部屋に置いておこう。
「……ここ?」
船の地図とか置いてあればいいのにさぁ。でも最初ここ大体見回った時にこの先は見なかったんだよね。というかこんな所に階段あったんだ。位置的に、ここか?
わくわくしながら船橋に向かった私は、扉を発見した。
「あった!」
ちょっと重い扉を何とか開けた。これ結構大きいな。
やっと入れる、そう思っていた。機械がいっぱいなのかな、ここから外を見渡したらきっと楽しい風景が待ってる、そう思ってた。
けれど、扉を開けた瞬間……言葉を失った。
――水晶だ。
私の身長よりやや小さめの水晶が、部屋の真ん中にある台の上に浮いていた。
それは、青色の淡い光を放っている。
部屋の壁はガラス張り。ただ、それだけだった。
ここは異世界。確かに、これもあり得る事だ。もしかしてこの水晶が、この船を動かしてるのかな。
何となく、触りたくなって。そーっと、優しく触れた。
「え、何何何!?」
そしたら、システムウィンドウが出現したのだ。目の前に沢山。
「なに、これ……?」
表示されたのは、この異世界の世界地図や、この船の内部の地図。この異世界の説明なんかも出てきた。
この世界は〝ミュージス〟と呼ばれるらしい。こちらで言う〝地球〟みたいな?
ここには、〝魔法〟というものが存在するけれど、戦いに使っているとかそう言うものではなく、魔道具を作って生活に役立てているようだ。
この世界は言語や通貨は基本全国共通。そこはすごく助かる。
世界地図には国の名前も書いてあり、国一つ一つの説明書きが表示されてた。
まぁでも多すぎるからこれは後でゆっくり読もう。
「……異世界だな」
なんか、ここが異世界だってことを改めて実感した気分だ。
今、私のいた現実世界から切り離され、こちらでしか生活できない。
なら、こっちの事をよく理解して生活していかなければならない。
「……よし、頑張ってみるか!」
会社を辞めてこれからどうしようかと思っていたけれど、何となくワクワクしてきた。よし、楽しく、有意義に! そんな生活をしてみせる!
そう、決意した。
船の外の景色は、当然海。
360°、どこまでも、海。
「なーんか、どこか陸地ないかな」
止まったままの船。どこかに進んで陸地に行ってみたい気持ちはある。そしたら、何か必要なものや食糧なんかも手に入る。
と言っても、通貨ってどんなものなんだろう。日本語は通じるだろうか。
気付いてはいる。扉の先のこの世界は、自分のいた世界と違う所なんだって。だって、こんなシステムウィンドウだなんてあるわけないし、船が勝手にお掃除とか色々やってくれてるみたいだけど、そんな船あるわけない。
地球と異世界を繋ぐ扉。凄すぎる。
でももし陸が見つかったとしても、港に入っていいかどうかの許可が必要になってくるはず。お金が必要になったとしても持ってないし、言葉が通じなかったら許可申請すら出来ない。
なんか、詰んだ気がする。
そう思いつつ、小さいシャベル(なんか探したらあった)を持ち昨日見つけた畑に向かった。
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栽培可能区域です!
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いきなり出てきたシステムウィンドウ。こんなの出るんだ。やっぱり異世界は違うなぁ。と思いつつよっこいしょとしゃがみ作業を始めた。
種なんてないけど、野菜から出てくる種を埋めたら出てくるかな。そんなのあったっけ。
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レベルがアップしました!
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え? レベルアップ? 何それ。
確かに私のシステムウィンドウ、ステータス的なものにレベルが書いてあったけどさ。
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栽培 Lv.1
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栽培レベルが上がっちゃった。耕しただけなんだけど。そんなのでレベル上がっちゃうとか、いいの? だって、まだ畑の3分の1しか耕してないんだけど。
じゃあこれ全部やったらどうなるの? という疑問が出てくる。だって、レベル上げとか楽しそうじゃん? ということで気合いを入れてやってみた。
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STATUS
名前:江口奈央 Lv.3
職業:船長
称号:なし
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栽培 Lv.3
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自動管理システム
自動防衛システム
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こういうことか。
マジかよ、チョロいな。じゃあ種植えて芽が出て実がなって収穫したらどれだけレベル上がってるのさ。恐ろしくなってきたよ。
だけど困った。耕したはいいものの、何を植えたらいいものやら。
そんな時、またまたシステムウィンドウが出現。その内容に目が飛び出そうになった。
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一部を埋めて育てることが可能です!
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は? いや、は? なにそれ、じゃあトマトのヘタとか埋めたらトマト実るの? マジ? じゃあ今日のお昼ご飯はトマト決定。
私はすぐに、家にある冷蔵庫に直行した。よし、トマト発見。あ、きゅうりも埋めてみる?
もしこれで芽が出なくても、まぁそれはそれでね。てか地球じゃそんなものあり得ない事だし。もし出なかったら次の事を考えよう。
「はぁ~、最っ高」
ウチにあった小さなローテーブルを持ち出し甲板に置き、お昼ご飯を持ってきた。ちょっと重かったけど頑張った。
けど、海を眺めながらの食事だなんて最高すぎ。こんなの知らなかったよ。
一応料理は好きだけど、ずっと一人での食事だったからなぁ。まぁ両親がいた頃も楽しく食事出来たけど、一人でもこんなに満たされるなんて思ってもなかった。
と言っても、最低限の量でしか出来ないんだけどね。あれしか食糧ないから、制限しなきゃ。
「船が揺れないって事は、自動防衛システムが作動してるおかげってことかな?」
そのおかげで船酔いとか一切なし! ほんとよかったぁ!
あ、そういえばまだあの船橋の方行ってなかったよね。ほら、一番高い所にある場所。どんな風になってるんだろう。機械とかいっぱいあるのかな。でも、ここは異世界。もしかしたら変わったものがあるかもしれない。
この後行ってみようかな。行き方分からないけれど。迷子にならないよう気を付けなきゃな。まぁでも私は方向音痴という訳ではないから大丈夫だと思う、うん。
ご馳走様でした、と手を合わせ後片付けをした。家から持ってきたこのローテーブルはまた戻すの大変だから近くの空いてる部屋に置いておこう。
「……ここ?」
船の地図とか置いてあればいいのにさぁ。でも最初ここ大体見回った時にこの先は見なかったんだよね。というかこんな所に階段あったんだ。位置的に、ここか?
わくわくしながら船橋に向かった私は、扉を発見した。
「あった!」
ちょっと重い扉を何とか開けた。これ結構大きいな。
やっと入れる、そう思っていた。機械がいっぱいなのかな、ここから外を見渡したらきっと楽しい風景が待ってる、そう思ってた。
けれど、扉を開けた瞬間……言葉を失った。
――水晶だ。
私の身長よりやや小さめの水晶が、部屋の真ん中にある台の上に浮いていた。
それは、青色の淡い光を放っている。
部屋の壁はガラス張り。ただ、それだけだった。
ここは異世界。確かに、これもあり得る事だ。もしかしてこの水晶が、この船を動かしてるのかな。
何となく、触りたくなって。そーっと、優しく触れた。
「え、何何何!?」
そしたら、システムウィンドウが出現したのだ。目の前に沢山。
「なに、これ……?」
表示されたのは、この異世界の世界地図や、この船の内部の地図。この異世界の説明なんかも出てきた。
この世界は〝ミュージス〟と呼ばれるらしい。こちらで言う〝地球〟みたいな?
ここには、〝魔法〟というものが存在するけれど、戦いに使っているとかそう言うものではなく、魔道具を作って生活に役立てているようだ。
この世界は言語や通貨は基本全国共通。そこはすごく助かる。
世界地図には国の名前も書いてあり、国一つ一つの説明書きが表示されてた。
まぁでも多すぎるからこれは後でゆっくり読もう。
「……異世界だな」
なんか、ここが異世界だってことを改めて実感した気分だ。
今、私のいた現実世界から切り離され、こちらでしか生活できない。
なら、こっちの事をよく理解して生活していかなければならない。
「……よし、頑張ってみるか!」
会社を辞めてこれからどうしようかと思っていたけれど、何となくワクワクしてきた。よし、楽しく、有意義に! そんな生活をしてみせる!
そう、決意した。