ただの新米騎士なのに、竜王陛下から妃として所望されています
新米騎士は相棒を守る
◇◇◇
見回りを終えると、もう夕方になっていた。
「いけない! オブシディアンのご飯の時間だわ!」
餌の肉をたくさん入れた桶を片手に急いで獣舎へ行くと、扉が少し開いていることに気づいた。
「おかしいな。ちゃんと閉めて出たはずなのに……」
桶を置いて扉に手をかけて開くと――中には黒ずくめの、ナイフを持った怪しい人がいる。しかもその人物の前には、魔術で動きを封じられているのか、飛びかかろうとした状態で固まっているオブシディアンがいた。
「ちょっとあんたー! オブシディアンになにをしたの!」
言うが早いか、私は突進して不審者にのしかかった。ぐえっ、と男性の声が下から聞こえる。
「くそっ、小娘が邪魔をしやがって!」
不審者が振り回したナイフが腕を掠るけど、これくらい訓練時についた怪我に比べたら痛くない。
「私の大切な相棒を襲おうとしたことを後悔しなさい。覚悟ーっ!」
幸にも不審者は私より筋力がなかった。ナイフを取り上げ、その柄で首の後ろをトンと突くと――。
「ぐえっ」
なんとも情けない声を上げて、あっけなく倒れる。念のため近くにあったロープで手足を縛って動けなくした。
「オブシディアン、怪我はしていない? 大丈夫?」
立ち上がってオブシディアンに手を伸ばしたその時、急に眩暈がして――私の意識は途絶えた。
見回りを終えると、もう夕方になっていた。
「いけない! オブシディアンのご飯の時間だわ!」
餌の肉をたくさん入れた桶を片手に急いで獣舎へ行くと、扉が少し開いていることに気づいた。
「おかしいな。ちゃんと閉めて出たはずなのに……」
桶を置いて扉に手をかけて開くと――中には黒ずくめの、ナイフを持った怪しい人がいる。しかもその人物の前には、魔術で動きを封じられているのか、飛びかかろうとした状態で固まっているオブシディアンがいた。
「ちょっとあんたー! オブシディアンになにをしたの!」
言うが早いか、私は突進して不審者にのしかかった。ぐえっ、と男性の声が下から聞こえる。
「くそっ、小娘が邪魔をしやがって!」
不審者が振り回したナイフが腕を掠るけど、これくらい訓練時についた怪我に比べたら痛くない。
「私の大切な相棒を襲おうとしたことを後悔しなさい。覚悟ーっ!」
幸にも不審者は私より筋力がなかった。ナイフを取り上げ、その柄で首の後ろをトンと突くと――。
「ぐえっ」
なんとも情けない声を上げて、あっけなく倒れる。念のため近くにあったロープで手足を縛って動けなくした。
「オブシディアン、怪我はしていない? 大丈夫?」
立ち上がってオブシディアンに手を伸ばしたその時、急に眩暈がして――私の意識は途絶えた。