後ろの席のヤンキーくんと甘いヒミツ
「あっ! 彩音、おはよーう!」
緒方くんが、何か話している途中だったけど。
メイサが登校して来たため、話はそこで中断してしまった。
あーあ。緒方くんと、もう少し話していたかったなあ。
私はメイサが隣にいても、このまま緒方くんと話を続けても全然構わないんだけど。
もしかしたら、照れくさいのかな?
緒方くんは今でこそ、私に普通に話してくれるようになったけれど。
最初の頃は、私とも話すだけでやたらと赤面していたし。
もしかして、意外と女の子に慣れていないのかな? って思ったりもするんだよね。
まあ緒方くんは、教室では基本一匹狼で。クラスメイトの誰ともつるまないから。
緒方くんが嫌なのなら……もちろん、無理強いはしない。
メイサと話しながら、後ろの席の緒方くんに目をやると、ちょうど彼と視線が交わった。