後ろの席のヤンキーくんと甘いヒミツ
私が心の中で助けを求めたとき。
突然、人影が私の前に立ちはだかった。
驚いてその人を見上げると、それは緒方くんだった。
「なんだ、お前……部外者は引っ込んでろ」
金髪の男の人が緒方くんをじろりと睨み、いきなり殴りかかってくる。
「俺は、部外者じゃねえよ」
鋭い目つきの緒方くんは、相手の攻撃をサラリとかわす。
ーーガッ、バキッ!
そして、相手の急所にパンチと蹴りを入れた。
「痛ってえ」
道路にドサッと倒れる男。
「お前、よくも……っ!」
もう一人の赤髪の男が緒方くんに向かって殴りかかるも、緒方くんは相手の腕を一瞬で掴んで捻り上げる。
「いてっ、いてててっ!」
「彼女に、二度と手を出すことは許さない」
「くそっ!」
「覚えてろよ!」
圧倒的な力の差に、男たちはよろめきながら走って逃げていく。
す、すごい。男の人ふたりを物ともせず、ひとりでやっつけてしまうなんて。
緒方くんって、強いんだ……。
「衛藤さん、大丈夫!?」
緒方くんが、心配そうに問いかけてきた。
「うん、大丈……いたっ」
「衛藤さん、膝ケガしてるじゃないか」