後ろの席のヤンキーくんと甘いヒミツ
「えっと、これは……指切りってこと?」
「うん。二人で絶対、また一緒にカフェに行くって約束するの」
「そっか」
緒方くんが自分の小指を差し出し、私の小指にそっと絡める。
そして彼はふわりと微笑みながら、「指切りげんまん、嘘ついたら針千本」と言った。
「ふふ。緒方くん、約束ね」
「おう」
わざわざ今こんな約束をしなくても、また学校で会えるんだから。
そのときに改めて誘ったら、それで良いのに……。
このときの私は、次にまた緒方くんと出かけられるっていう保証が欲しかったんだ。