後ろの席のヤンキーくんと甘いヒミツ
緒方くんと甘いヒミツ
数日後の朝。
「おはよう、彩音。あれ? 今日は何だか元気ないね?」
「そ、そうかな?」
メイサに尋ねられ、私はドキリとする。
実は、今日は朝から緒方くんの姿が見えなくて。それが気になって、ソワソワしている。
朝、いつものように早起きして、誰もいない教室で私は緒方くんのことを待っていたけど。
いつも来てくれる時間になっても、緒方くんは来なかった。
そのまま緒方くんは来ないまま、クラスメイトたちが登校してくる時間になってしまった。
緒方くん、どうしたんだろう。
二人で朝早く教室で会うようになってからは、毎朝いつも欠かさずに来てくれて。
私にお菓子を渡してくれていたのに。
こんなことは、初めてだよ。
緒方くんにスマホでメッセージを送っても、未読のまま。
もしかして、何かあった?
それとも、体調不良とかで休みなのかな?
時間の経過とともに、不安な気持ちが増していく。
キーンコーン……
そしてついに緒方くんはやって来ないまま学校のチャイムが鳴り、担任の先生が教室に入って来た。
「えーっ、みんなにまず報告なんだが。実は、緒方が……自宅謹慎となった」
え!?