後ろの席のヤンキーくんと甘いヒミツ


緒方くんが自宅謹慎って、いきなりどうして!?


もしかして、何かの間違い?!


先生の言ったことがすぐに信じられない私は、自分の耳を疑う。


「実はおととい、緒方が街中で男性二人を殴ったみたいで。その動画が、学校に匿名で送られてきてな」


え?


「緒方に確認したら、本人も殴ったことに間違いはないと認めて……。それで、自宅謹慎処分になったんだ。暴力行為は、良くないからな」


そんな……。


私は先生の言葉に、声を失った。


おとといって、私が街中でガラの悪い男の人たちに絡まれて、緒方くんに助けてもらったあの日のことだよね?


それじゃあ、緒方くんは……。


冷や汗が背中を伝い、バクバクと心臓が騒ぎたてる。


緒方くんが謹慎処分になったのは、私のせいだ。どうしよう……。


鉛を飲み込んだかのように、胸が苦しくなる。


でも、元はと言えば最初は向こうから殴りかかってきたのに。


緒方くんは、私のことを助けて守ろうとしてくれただけなのに……!


どうして緒方くんは、先生に本当のことを言わないの?

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