後ろの席のヤンキーくんと甘いヒミツ
真田さんの証言はかなり大きかったらしく、その後担任の先生もようやく信じてくれた。
それから少しして、私に絡んできた派手な男二人は、今までも頻繁に街中でわざと人にぶつかり、『怪我をしたから治療費を出せ』などと言って、脅していることが判明した。
さらに、あの匿名の動画の送り主の正体も分かったらしい。
それは少し前に私に告白してきた同じ学校の男の子で、私と緒方くんがデートしているのを見て腹が立ったのだという。
どうして真面目な自分が振られて、ヤンキーと言われている緒方ならOKなのかと思ったら許せなくて、困らせてやろうと思ってやったとのことだった。
こうして無事に、誤解が解けた緒方くんだけど。
人を殴ったことに代わりはないとのこともあり、反省の意味も込めて自宅謹慎は続いたものの、予定よりも1週間早く謹慎が解かれたのだった。
そして、緒方くんの謹慎が解かれた翌日の朝。
「おはよう、緒方くん」
誰もいない早朝の教室へと久しぶりにやって来た緒方くんに、私は挨拶する。
「おはよう、衛藤さん。はい、これ」
緒方くんが、赤いリボンでラッピングされた袋を私に渡してくれる。