後ろの席のヤンキーくんと甘いヒミツ


「えっ! 謹慎明けなのに、さっそく作ってきてくれたの? 今日は、無理してくれなくて良かったのに」

「俺が、作りたかったんだ。衛藤さんに、俺のお菓子を食べて欲しくて」


緒方くん……嬉しいな。


しかも今日のお菓子は、私が初めて緒方くんからお菓子をもらったあの日と同じ、チョコチップのクッキーだ。


「衛藤さんが教室で、みんなの前で本当のことを言ってくれたんだって? 担任からその話を聞いて俺、めちゃくちゃ嬉しかった。サンキュ」

「ううん。あの日緒方くんは、あのガラの悪い人たちから私を守ってくれたのに。私のせいで悪く言われるのは、嫌だったから」

「そうだったんだ。ありがとう」


緒方くんが、ふわりと微笑む。


「やっぱり、衛藤さんっていい子だよな。ばあちゃんのことを助けてくれたり。俺のこともかばってくれて。俺、ますます衛藤さんのことが……好きになったかも」

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