後ろの席のヤンキーくんと甘いヒミツ


「え!? お、緒方くんが……わ、私のことを好き!?」

「あっ……」


焦ったように言う私を見て、ウッカリ好きだと声に出してしまったことに気づいたのか、緒方くんが頬を紅潮させる。


「ねえ、それ……ほんと?」


自分の心臓が、トクトクと脈打つのを感じる。


「……っ」


一瞬、言葉に詰まった様子の緒方くんだけど。


意を決したように、私を真っ直ぐ見つめてくる。


「ああ、嘘じゃない。この際だから、思い切って言うけど。俺、実は……ずっと前から、衛藤さんのことが……好きだった」

「緒方くん……!」

「2月の高校入試の日に、学校でたまたま衛藤さんを見かけて。可愛いなって、一目惚れしてからずっと……」


緒方くんの頬が、更に赤くなる。


入試の日って、緒方くん……そんなにも前から、私のことを知ってくれていたんだ。


ずっと、想っていてくれたんだ。


「嬉しい……っ」


感動して思わず涙ぐむと、緒方くんがそっと私の目尻に指を這わせる。

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