後ろの席のヤンキーくんと甘いヒミツ
顔を真っ赤にさせ、時々言葉に詰まりながらも、一生懸命私に伝えてくれた緒方くんの“好き”は、今までもらったどんなプレゼントよりも嬉しくて。
緒方くんの告白は、胸の深いところまで響いたよ。
「なあ、彩音は?」
「え?」
どくんと、心臓が大きく跳ねる。
「彩音の気持ちも……俺に聞かせてよ」
「〜っ!」
緒方くんは、今までずっと私のことを『衛藤さん』って呼んでいたのに。
予告もなく突然『彩音』って、名前で呼ばれて。
その破壊力は半端なくて、頭がくらくらしてきそうだ。
「私の、気持ち……」
本人の前でいざ口にするのは、緊張するけど。
緒方くんが……善くんが、伝えてくれたんだから。
私も、ちゃんと言わないと。
「えっと……」
彼を真っ直ぐ見つめ、勇気を振り絞って口を開く。