後ろの席のヤンキーくんと甘いヒミツ
「彩音、顔真っ赤。りんごみてぇ。ははっ」
「そっ、それを言うなら善くんだって!」
「そうだな。りんごみたいに可愛い彩音のほっぺ……キスしたくなる」
「え!?」
『キス』というワードに目を瞬かせていると、善くんは私の頬にちゅっとキスを落とした。
「へっ、善くん!?」
まっ、まさか。本当にキスするなんて……!
善くんの唇が触れた部分が、ほのかに熱い。
「べつに、キスしても問題はないだろ? だって……今日から彩音は、俺の彼女なんだから」
俺の彼女……。
善くんの言葉に、胸の奥のほうがくすぐったくなる。
そっか。私、今日から善くんの彼女なんだ。
そう思うと嬉しくて、頬が緩みそうになる。
「ねえ。だったら、友達のメイサとか他のみんなに伝えても良い? 今日から善くんと、付き合うことになったって」
「悪いけど……それはダメ」
「えっ、どうして!?」