後ろの席のヤンキーくんと甘いヒミツ
ちょっと、善くん。いくら何でも、そんなふうに即答されたら落ち込むんだけど……。
「ダメって。やっぱり、私が善くんの彼女っていうのが恥ずかしくて言えないとか、そういう理由?」
もしそうだったら、悲しい。
「いや、それは絶対にない。本当は彩音が俺の彼女だって、今すぐみんなに自慢してまわりたいくらいだけど……それをやると、たぶん俺……恨まれるから」
う、恨まれる!?
「彩音は、もしかしたら気づいていないのかもしれないけど。彩音って、俺らの学年の男子の間で、可愛いってめちゃくちゃ人気があるんだよ」
うそ。そうなの!? 知らなかった。
「そもそも俺が自宅謹慎になったのだって、彩音と俺が一緒に歩いてるのを見て腹がたった男子が、隠し撮りしたことが発端だっただろ?」
そうだった。
「そういう訳だから……しばらくの間、俺たちの交際のことは、ヒミツにしていて欲しい」
「いいよ。分かった」
こうして、みんなには内緒でお付き合いすることになった私たち。