後ろの席のヤンキーくんと甘いヒミツ
「まさか、緒方くんが私にお菓子を!? どうして私に、毎日お菓子なんて……」
「わ、悪い。こんなこと、もうしねぇから」
緒方くんは、自分がやっていたとあっさり認めた。
そして、彼は慌てて私の下駄箱に入れた紙袋を手にとり、どこかへ持っていこうとする。
「待って。それ、私のために今日も持ってきてくれたんだよね? せっかくだから、食べたいな」
私の言葉に、緒方くんはピタッと足を止めた。
「食べたいって、迷惑じゃないのか?」
「迷惑なんかじゃないよ。だって、どのお菓子も美味しかったし。ていうか、どうしてこんなコソコソと下駄箱に? 同じクラスなんだから、教室で直接私に渡してくれたらいいのに」
「それは……から」
「え?」