天才と呼ばれた彼女は無理矢理入れられた後宮で、怠惰な生活を極めようとする③
怠惰タイムは忙しい!?
私は薔薇の花が咲く庭園で、本を読ながらお茶を飲む。後1時間しか怠惰タイムはないらしい。最近、ハードスケジュールだわ。
「お嬢様、お茶のおかわりいかがですか?」
「ありがとう頂くわ」
アナベルは気がきく。後1時間しかないんだから満喫しなくっちゃ!私はポカポカとした陽射しの中で私は欠伸をしようとしてハッ!とする。足音。人の気配。
栞を挟んで、パタンと本を閉じる。
「お嬢様?」
アナベルが私の変化に気づく。
「ここは後宮の庭じゃないから、誰が来てもおかしくないわ。少し油断したわ」
目をスッと細め、警戒し、小さい声でアナベルにそう伝えた。アナベルはデキるメイド。私の声音で察して、ササッと音も立てずに髪の毛とドレスを直す。
ヨダレたらして昼寝中とかじゃなくて良かったわ。しかし、この庭園は陛下の特別な庭。入れる人は限られているのよね。
「おや?これは王妃様、ご機嫌麗しくお過ごしのようですね」
私はスッと立ち上がってお辞儀をする。
コンラッド王子!?こんなところまで出入りを許されているなんて、ウィルバートの信頼を得てるのね。
「あら……こんなのんびりとしているところを見られてしまい、恥ずかしいですわ」
「いえいえ、おくつろぎのところお邪魔してしまったみたいですね」
柔らかな物腰のコンラッド王子。
そうよ。貴重な゙私の怠惰タイムなのよ。さっさと立ち去りなさいよ。
「少しお話をしても?」
えええええ!?断りたい……けど、外交、外交。
「もちろんですわ」
我慢して、笑顔を作る。
「王妃様の好きな食べ物はなんですか?後、嫌いな物は?」
「私のですか?……好きな食べ物は辛い物で、苦手なものはアマーズンの実ですわ」
「あの高級な実が苦手なんて、珍しいですね」
「果物のようでいて、野菜のようでもあるので、初めて口にした時に、苦手になってしまったのですわ」
なるほどーと笑顔でコンラッド王子は答えた。
「今度、妹がこの国に遊びに来たいと言っていまして、来ても大丈夫ですか?」
「ええ……歓迎いたしますわ」
妹……ねぇ……。私は顔に考えてることがでないように最小の注意を払う。
「心の広い王妃様ですね。ありがとうございます。では、おくつろぎのところ失礼しました」
コンラッド王子が去っていく。アナベルがいなくなったことを確認して口を開く。
「お嬢様、なぜ好き嫌いを反対に言ったのです?辛い物が苦手で、アマーズンの実は大好物でしょう?」
「気づかなかった?上から下まで、あの品定めをするかのような目で会ったときから見られてるのよっ!失礼な男に私の好みを教えるわけないでしょう?」
なるほど〜とアナベルが納得して頷いている。
「あの王子は食えないやつだわ……」
「お嬢様ほどではないでしょう?」
さらっと失礼なことをアナベルが言うけど、ながしておく。
コンラッド王子……ウィルバートと渡り合えるだけの頭の回転を持ち、先を考えてなにか行動を起こしている気がする。妹を呼ぶ?新たなウィルバートの妃にするつもりなのかも。要注意人物すぎるわ。
単なるウィルバートの友人として取り扱うべきではないわ。ウィルバートは少し油断している。このような場所まで出入りを許してしまってる。
本来、ウィルバートは優しくてのんびりとしているのだ。まったく……もう……私は仕方ないわねぇと思いつつ、そんな甘さや優しさが時折出てしまうウィルバートが好きなのよ……私は……。
そこを補うのは私の役目ね。怠惰な時間はしばらくおあずけかしら。
私は彼がいなくなった方を見ながら、考えを巡らせる。
彼は知らない。私はウィルバートよりも彼よりも天才だということを!
「お嬢様、お茶のおかわりいかがですか?」
「ありがとう頂くわ」
アナベルは気がきく。後1時間しかないんだから満喫しなくっちゃ!私はポカポカとした陽射しの中で私は欠伸をしようとしてハッ!とする。足音。人の気配。
栞を挟んで、パタンと本を閉じる。
「お嬢様?」
アナベルが私の変化に気づく。
「ここは後宮の庭じゃないから、誰が来てもおかしくないわ。少し油断したわ」
目をスッと細め、警戒し、小さい声でアナベルにそう伝えた。アナベルはデキるメイド。私の声音で察して、ササッと音も立てずに髪の毛とドレスを直す。
ヨダレたらして昼寝中とかじゃなくて良かったわ。しかし、この庭園は陛下の特別な庭。入れる人は限られているのよね。
「おや?これは王妃様、ご機嫌麗しくお過ごしのようですね」
私はスッと立ち上がってお辞儀をする。
コンラッド王子!?こんなところまで出入りを許されているなんて、ウィルバートの信頼を得てるのね。
「あら……こんなのんびりとしているところを見られてしまい、恥ずかしいですわ」
「いえいえ、おくつろぎのところお邪魔してしまったみたいですね」
柔らかな物腰のコンラッド王子。
そうよ。貴重な゙私の怠惰タイムなのよ。さっさと立ち去りなさいよ。
「少しお話をしても?」
えええええ!?断りたい……けど、外交、外交。
「もちろんですわ」
我慢して、笑顔を作る。
「王妃様の好きな食べ物はなんですか?後、嫌いな物は?」
「私のですか?……好きな食べ物は辛い物で、苦手なものはアマーズンの実ですわ」
「あの高級な実が苦手なんて、珍しいですね」
「果物のようでいて、野菜のようでもあるので、初めて口にした時に、苦手になってしまったのですわ」
なるほどーと笑顔でコンラッド王子は答えた。
「今度、妹がこの国に遊びに来たいと言っていまして、来ても大丈夫ですか?」
「ええ……歓迎いたしますわ」
妹……ねぇ……。私は顔に考えてることがでないように最小の注意を払う。
「心の広い王妃様ですね。ありがとうございます。では、おくつろぎのところ失礼しました」
コンラッド王子が去っていく。アナベルがいなくなったことを確認して口を開く。
「お嬢様、なぜ好き嫌いを反対に言ったのです?辛い物が苦手で、アマーズンの実は大好物でしょう?」
「気づかなかった?上から下まで、あの品定めをするかのような目で会ったときから見られてるのよっ!失礼な男に私の好みを教えるわけないでしょう?」
なるほど〜とアナベルが納得して頷いている。
「あの王子は食えないやつだわ……」
「お嬢様ほどではないでしょう?」
さらっと失礼なことをアナベルが言うけど、ながしておく。
コンラッド王子……ウィルバートと渡り合えるだけの頭の回転を持ち、先を考えてなにか行動を起こしている気がする。妹を呼ぶ?新たなウィルバートの妃にするつもりなのかも。要注意人物すぎるわ。
単なるウィルバートの友人として取り扱うべきではないわ。ウィルバートは少し油断している。このような場所まで出入りを許してしまってる。
本来、ウィルバートは優しくてのんびりとしているのだ。まったく……もう……私は仕方ないわねぇと思いつつ、そんな甘さや優しさが時折出てしまうウィルバートが好きなのよ……私は……。
そこを補うのは私の役目ね。怠惰な時間はしばらくおあずけかしら。
私は彼がいなくなった方を見ながら、考えを巡らせる。
彼は知らない。私はウィルバートよりも彼よりも天才だということを!