海と少女
あたしたちは
車からおりて
家に向かった。


建物は古い日本家屋で二階建て。二階は雨戸が閉まっている。


一階はうす緑のカーテンがかかってるのが見える。

その時




「…ヒッ!」




カーテンの隙間から
こちらをのぞく
目が見えた。




「どした?」

「だ、誰かいるし!!」

「え?どこ?」


あたしはカーテンを
指さした。

でも

そこにもう
その目はない。
< 10 / 53 >

この作品をシェア

pagetop