海と少女
「おーい、雪奈ぁ〜」


上から呼ぶ声が聞こえた。

コタツから出たがらない体を、無理矢理起こして2階にあがる。


「どしたの?」


「いいから入れよ」


2階は何部屋かあるようだけど、そのひとつから信也が呼ぶ。


「ウワッ! なんかクサッ!」


「だろ?ここが寝室だって」


カビのような匂いにたまらず、あたしは窓を開けようとした。


「まてっ!」


「ん?」


「窓は開けるなって…」


信也が注意書きを読んでる。

あたしはそれをひったくって、自分で読む。



---2階の窓や雨戸は開けないこと


---裏山に通じる道があるが立ち入らないこと



「なにこれ?」

意味のわからない注意書きだ。
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