海と少女
「もしかして…

 木村さんとこの家?」


そうだ、確か表札に
木村って書いてあった。


「あ、知ってるんですね。そうなんです」


男は
露骨に嫌な顔をして
こちらを見た。

そして
それ以上

なにも喋らない。


何?

あたし何か
いけないこと言ったっけ?


東京だと、3切れ分ぐらいの刺身にしかならない料金を払って、あたしは魚屋を後にした。



何よ〜感じ悪い!



安かったけど。




田舎って
外の人間に対しては
冷たいのかな?
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