海と少女
次の日、

めずらしく晴天だった。


うれしくて洗濯を済ませると、タオルをマスクに2階に上がり、窓を開けっ放しにした。

潮風が吹き抜けた。


押入の布団も干そうかと扉を開けたが…急いで閉める。

やっぱ臭い

こんなの
干したぐらいじゃ
落ちない匂いだ

ふたりとも
コタツで寝てるし、

いいか。



そういや
信也は起きてこない。
きっと夕べ飲み過ぎたんだろう。



ここには酒がたくさんある。

正体不明の酒。

密造酒のような気がする。

あたしは気味が悪くて飲んでないけど、酒好きの信也はいくらでも飲む。


タダより高いものはない…



なんて、言葉が
頭によぎる。
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