海と少女
昼頃、信也は起きてきた。

カップ麺をすする。


「これ、食べない?」


再度イカ大根を
すすめてみる。


「オレさ、

そういうのぜってー食べねぇだろ? オマエ知ってるじゃん。
 だからこうやって、食料いっぱい買い込んでんだし」


山のようなインスタント食品を指して言った。




「今からパチ行ってくるから」

「また行くの?」

「今日こそ大丈夫。
 昨日さ、地元のヤツと知り合いになったんだよ。いい台教えてくれるって」

「…」


誰が他人に、いい台なんて教えるんだろうか。


そう思いはしたけど、口に出さない。
< 45 / 53 >

この作品をシェア

pagetop