海と少女
その日も
信也の帰りは遅かった。



あたしはムカついたので
ご飯も風呂も
何の用意もしない。

信也はひとり
またカップ麺食べて
コタツで寝転がる。




東京では
ごまかすことが出来た。

色んなこと

信也がいなくても
部屋でひとりでなんか
待つことはなかった。

でもここでは
あたしは自分に
向き合うしかない。

信也に向き合うしかない。

だから腹が立つ。



目の前にある恐怖から
逃げ出すことは
出来ないんだ。
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