没落家出身令嬢は、エリート御曹司の香りに抗えない。
没落令嬢の貧乏人




 ――最悪だ。



「おいっ! きいてんのか!?」


 まさか、まだ起きてるなんて思わないじゃない。


「おい、菜皆! 酒だ、酒を持ってこい……!」

「ちょっと待っていて、お祖父様」


 私、嘉納(かのう)菜皆(なみな)は高校一年生。お祖父様と暮らしている。
 荒れているお祖父様を見て呆れて両親は出て行ってしまった。今は伯母様がお手伝いに来てくれているけど、荒れ放題だ。



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