没落家出身令嬢は、エリート御曹司の香りに抗えない。
「私は自立したいです。なのでよろしくお願いします」
頭を下げたからか伯母様は「わかったわ」と最後には言ってくれた。
その三日後、伯母様とナギトさんがいろんな場所に聞いてくれて住み込みで働ける場所を紹介してもらえた。
それから、すぐ履歴書を書きはじめた。
私はβだけど発情期があるため医師の診断書がいるので病院の予約を取った。
「……履歴書に、診断書に、学生証。よし、持った」
ファイルに挟んでカバンに入れると、制服をちゃんと着て整える。姿鏡を見てから部屋から出た。
***
「……ここ、かしら?」
伯母様から送られてきた地図を見て来たのだけど、到着したのはセレブが住む高級住宅街。
家というより、それは豪邸だった。表札をみて私は驚いてしまった。
――鷹司家って、嘘でしょ!?