没落家出身令嬢は、エリート御曹司の香りに抗えない。
「ワシの言うことが聞けないのか!!」
「もう、お休みになってはいかがですか? お風呂、沸かしますので……」
「風呂なんかいらん!」
そう言ってまだ残っていたらしい清酒を私に向けてぶちまけた。そしていつものように暴力を振るわれ、避けるなんて出来ずに私は彼の気の済むまで、殴られ続けた。
「……っ……」
十五分くらい経った後、私はお祖父様から解放されアルコールで少し赤くなってしまったのでシャワーを浴びに浴室へ行った。