没落家出身令嬢は、エリート御曹司の香りに抗えない。



 起きた時には私は部屋のベッドで寝ていた。


「……あ、起きた?」

「もしかして寝ちゃいましたかっ? 私……」

「うん、寝てた。昨日、寝れてなかったんじゃない?」


 伯母様は「何か食べる?」と問いかけられた。


「少しだけ、お腹空きました」

「だよね。今、旦那様と娘がご飯買いに行ったから一緒に食べよう」

「わざわざですか?」

「今日二人休みだから、お寝坊さんなんだよ。だからね遠慮しないで」


 そんな話をしていると、どこからか「ただいまー」という声が聞こえてきてドアの開く音がした。



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