せっかくの婚約ですが、王太子様には想い人がいらっしゃるそうなので身を引きます。
アルドラ王国の王太子アヴェルド殿下の婚約者として選ばれたことは、名誉なことであるといえるだろう。
といっても、それは私の力で成し遂げたことではない。偉大なる父、ルダール・エリトン侯爵の努力の賜物だ。
数ある貴族の中で、国王様から最も信頼を得た。そんな父のことを、私は尊敬している。
だからこそ、この婚約は成功させなければならないものだと思っていた。
次期国王となるアヴェルド殿下の妻になるということは、要するに次期王妃となることだ。しっかりと務めなければならない。
そんな風に考えていた私は、今となってはお笑いだったといえるだろう。
アヴェルド殿下の姿を視界の端に捉えながら、私はそのようなことを思っていた。
といっても、それは私の力で成し遂げたことではない。偉大なる父、ルダール・エリトン侯爵の努力の賜物だ。
数ある貴族の中で、国王様から最も信頼を得た。そんな父のことを、私は尊敬している。
だからこそ、この婚約は成功させなければならないものだと思っていた。
次期国王となるアヴェルド殿下の妻になるということは、要するに次期王妃となることだ。しっかりと務めなければならない。
そんな風に考えていた私は、今となってはお笑いだったといえるだろう。
アヴェルド殿下の姿を視界の端に捉えながら、私はそのようなことを思っていた。
< 1 / 246 >