あなたは本当に憧れの先輩? 6年ぶりの再会は運命の出会い
月曜日、営業部内のオフィスで美咲の作戦が朝から開始された。
朝礼前で割と社員が揃っていてザワザワしている時、

「凛おはよう!」

「おはよう美咲。」

わざと周りに聞こえるように
「凛!彼氏出来ておめでとう!!」

「ちょっと、美咲〜声が大きいよ」

「だってさ〜嬉しいし! アレ?この指輪はもしかして〜 ハイスペックな彼氏からのプレゼントかなぁ〜〜!!」

「うん、まぁ……」
そこへ同期の宮本君が寄ってきて
「菊池さん、彼氏できたの?」

「宮本君聞いてよ〜 凛は詳しくは教えてくれないんだけど〜
どうやらハイスペックな男性から告白されて付き合う事になったんだって〜〜」

「そうなの? 会社の人?」

「宮本君、私もいろいろ聞き出そうと思ったんだけど、秘密なんだって!」

「秘密って…まさか不倫じゃあないよな?」

「まさか!!違う違う!
凛はそんな事しないよ。」

「だよなぁ〜 同期の奴等のヘコむ姿が目に浮かぶよ ハハハ。
菊池さん良かったね」

「ありがとう宮本君…」凛は恥ずかしくて真っ赤になった。

その会話を聞いていた男性社員はガックリ。女子社員はガッツポーズをしていた。
そんな部内の様子を感じた美咲は心の中で
『作戦大成功!!』と喜ぶ。
そして宙の姿を探すと……
キャビネットの前でこちらを見ていた無表情の口元が一瞬ニヤと動いたのを美咲は確認した。
『澄川さん、凛を頼んだぞ!』と心の中で呟いた。

それから女子の先輩たちは凛への対応が少しトゲトゲしかったのが、普通に変わった。
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