あなたは本当に憧れの先輩? 6年ぶりの再会は運命の出会い
日々の尚の成長を見ながら仕事も頑張っているオレ。

お袋とトムさんは何かと理由をつけては日本へやって来る。
尚も2歳になった。
最近では少しずつ話しもするが、日本語と英語が混ざっている感じかな。

そんなある日……
大阪の接待でクラブに連れて行かれた。

そのクラブのキャストがなんと本田桜だった。
いまだに綺麗ではあるが、歳をとったなぁと思った。
「アラ? 宙くん?お久しぶりね〜」と気安く話しかけられた。

「お久しぶりですね。ずっとこの仕事なんですか?」

「まぁ……ね」と言いながら水割りを作る。
「澄川さんとさち子ちゃんとはお知り合いでしたか?」と接待してくれた取引先の部長が話し掛けてきた。

「ええ、佐川さん、学生時代の知り合いなんですよ〜」と桜がシレっと答える

「へえ〜、澄川さんはええ男だからなあ〜 羨ましいですわ」

「あの頃は、女の恐ろしさとずる賢さを知りましたけどね」と宙が話すと桜の顔が引きつっていた。

「お〜コワァ〜」と佐川が答える。

そこへクラブのママが挨拶に回ってきた。
「ようこそいらっしゃいませ。」と笑みを浮かべて挨拶するママ。

「佐川さん、せっかく素敵なところへ連れて来ていただいたんですが、ちょっと具合が悪くなりましたので、申し訳ありませんが帰ります。」

「え、澄川さん。大丈夫ですか?」

「佐川さんはゆっくりしていって下さい」と宙はクラブを出て行く。
ママさんはあわてて宙を見送ってくれた。
「あの…澄川様、何か不手際がございましたか?」
「ママさん、お店はとても素敵です。
もう、どうでもいい事なんですが…
若い頃、嫌な思いをさせられた人とは楽しく話しなんて出来ないので、すみません」

「ああ、さち子ちゃんですか…」とママも何か含みのある返事をした。
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