あなたは本当に憧れの先輩？　6年ぶりの再会は運命の出会い
トムさん宅へ戻ると、尚はお母さんやトムさんに日本語と英語混じりで、宙さんのバスッケットの話を興奮しながら話して聞かせる。
お母さんとトムさんはニコニコ笑顔で尚の話を聞いてくれた。
私がお茶を淹れ、リビングのみんなでお茶を飲んでいると、シャワーを浴びた宙さんのもとへ尚が抱き着く。

「ダディー」

「尚おいで」と抱っこしながらソファーに腰をかけた。

宙さんは久しぶりのバスッケットで、腕も足も筋肉痛だ～と体をさすりながら話す。
みんなで笑いあっていると、尚が宙さんの腕をトントンする。

「尚は優しい子ね。」とお母さんに褒めてもらうと、宙さんの膝から降りてお母さんの腕をトントンし始めた。
トムさんにも「Good boy！」と言われると今度はトムさんの腕もトントンした。

最近の尚の行動は大人たちの癒しとなっている。
みんな目を細めて笑顔になる。

子供にとって大人になるまでは周りの大人や、特に親の影響が大きいので私と宙さんは子育てについてもよく話をするようになった。

宙さんは副社長になり仕事はかなりハードになったけど、家庭を大切に考えているので尚の面倒をみている私やお母さんに労いの言葉をいつもかけてくれる。
本当にイイ旦那様だ。

私もお母さんに助けていただいて何とか毎日を過ごしているし、トムさんは孤児院で育ったので【家族】というものを体験することで過去の傷ついた自分を尚を通して癒しているとお母さんから聞いた。

愛情たっぷりに育っている尚。
話す言葉も少しずつ増えている尚。
元気にすくすく育ってほしいな
< 138 / 147 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop