あなたは本当に憧れの先輩？　6年ぶりの再会は運命の出会い
絶品　ナポリタン

勘違い

異動初日からバタバタした。
何とかアストロンの件は落ち着いたので、定時であがるように部長の指示がでた。

頼まれていた資料もB案も作った事を福岡さんに連絡してから退社した。

「よし！定時で上がったし仁君のところでゆっくりメシを食ってから帰るか」と仁君の喫茶店へ向かう。
会社を出てすぐオレの後を付いてくる女がいた。
店の前でオレはその女の方を向く。
『コイツは受付の新人か？』
その女はオレが店のドアの前にいるので顔を上げてオレを見た。

「あの…」

「オイ、おまえは受付だよな」

「はい…」

「オレの後をつけて何なんだよ！」

「いえ…私はこの喫茶店でコーヒーを飲みに…」

「はぁ？！　言い逃れかよ！」

カラン♪ カラン♪ とドアが開き喫茶店からマスターがゴミ袋を持って出てきた。

「アレ？　宙？　え？菊池さん？　どうしたの2人共…… ん？　ねぇ宙どうした？」
とゴミ袋を持ったままマスターは2人を交互に見た。

「仁君、この受付の事知ってるの？」

「ああ、菊池さんはウチの常連さんだけど？」

「え？！…そうだったんだ…
オレの勘違いだった！本当にゴメン！！」

「あ、いいえ、いいえ…」とさっき宙の大声で萎縮してしまった凛は小声で答えた。

「あの…マスターまた今度来ます。」
と凛は慌てて頭を下げて帰って行った。

「菊池さん！待って！」
と仁が叫んだが凛は小走りで駅方面へ行ってしまった。
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