あなたは本当に憧れの先輩? 6年ぶりの再会は運命の出会い
仁はゴミを捨てて店に入り、宙に店の前での経緯を聞いた。

「宙、菊池さんとモメたの?」

「う〜ん…会社出てすぐに彼女が後ろから付いて来ててさ〜何度か受付で顔を合わせてたから、その…彼女もオレ目当てで付いて来たんだと思ったんだ。
またストーカーかって… でもオレの勘違いだった。仁君、店の前で大声出してゴメン。」

「そうか…宙も大阪で大変な思いしたから菊池さんに過剰な反応をしちゃったんだな」

「うん。でも常連さんの彼女が怖がって来なくなるかもしれないなぁ…」

「じゃあ、宙が会社で菊池さんに謝ったら良いんじゃあないか?」

「ああ、明日謝るわ。オレが大声だしたからスゲェ怯えたしな」

「うん。菊池さんは新入社員でさ〜。
一生懸命に仕事を覚えている最中で、男の事なんて考えてない感じの子だぞ。
本当に素直で可愛いんだ!
俺が10歳若かったら口説いて彼女にしたいくらいだよ」

「仁君が口説きたくなるような子なんだぁ… へぇ〜 仁君が【彼女】にしたくなるなんてそんなに良い子なんだぁ…」

「チラッと菊池さんから聞いた話だと、両親が事故で亡くなったらしくて兄弟もいないから大学生からは1人暮らしで色々と苦労してるみたいだぞ」

「ふ〜ん。1人ねぇ…」
宙は自分の母親の昔と似た境遇の凛には優しくしようと思った。

「明日、謝るわ」

「ああ。そしてお詫びにコーヒーを奢ってやれよ」

「そうだな…」
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