あなたは本当に憧れの先輩? 6年ぶりの再会は運命の出会い
「菊池さん。本当に先日は大声出してゴメンね。
オレさ、大阪でストーカー被害にあってこっちに異動させてもらったからさ、またストーカーか!って過剰に反応しちゃったんだ。本当にゴメン」

「ストーカー被害に…それは大変でしたね。私の事は気になさらないで下さい。
本当に大丈夫ですから」

「ありがとう。お詫びに今日は奢らせてもらうから」

「え、本当に大丈夫ですから!」

「お待たせしました〜カフェラテです。
菊池さん、お詫びだから奢られておきなよ。そうすればコイツも詫びた事になるしさ」

「そうですか?マスターがそう仰るなら遠慮なくご馳走になっても良いのかな…
ありがとうございますご馳走になりますね澄川さん。」

「じゃあ、仁君、絶賛ナポリタンも2つ!ね」

「了解!」

「え、ナポリタン?!」

「ああ、仁君のナポリタンはめっちゃ美味いから食べてみて!」とキラキラした表情で凛に話し掛ける宙。社内での表情とは違い、まるで高校生の頃の宙のようでつい凛は宙に話し掛けた。

「澄川さんはマスターと親戚なんですか?」

「ん?そうだけど……?」

「以前マスターがいとこがウチの会社にいるって仰ってたので……あ!完全に個人情報ですね。 すみません。」

「ハハハ。君なら社内で言いふらしたりしないだろうから仁君も話しをしたんだと思うよ。
そうなんだ、仁君とオレはいとこなんだ。
東京本社になったからこれからはオレもココの常連さんになると思うのでよろしく!」

「こちらこそ…あ、今年入社しました総務部の菊池 凛と申します。よろしくお願いします。」と頭を下げた。

「お待たせしました!ナポリタンです」
ザ・喫茶店のナポリタンが宙と凛のカウンターテーブルに置かれた。

「仁君ありがとう!いっただきま〜す!」

「美味しそう〜 いただきます!」

「うっめぇ〜やっぱり仁君のナポリタンは最高!」

「ありがとう。サラダとスープだよ。
菊池さんはナポリタン初めてだね。お味はどう?」

「マスター、とても美味しいです!」

「良かった〜」
カラン♪カラン♪
「いらっしゃいませ」と数名のお客様が入って来た。

澄川さんは凄い勢いでナポリタンやサラダとスープを平らげた。
「ご馳走様!美味かった〜」

「ふふふ。本当に美味しいですね」

「菊池さんはゆっくり食べて良いからね」と カフェラテのおかわりをマスターに頼んでいた。
澄川さんがおかわりしたカフェラテを飲み終えた頃、私もナポリタンセットを完食した。
「美味しかったです。ご馳走様でした」と手を合わせた。
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