あなたは本当に憧れの先輩? 6年ぶりの再会は運命の出会い

やっぱり

お母さんとカフェを出ておしゃべりをしながらイタリアンレストランに向かう。

お母さんと学生時代の話しで盛り上がりながらレストランに到着。
席についてからもいろんな話しをしていたら、
「凛ちゃんは高校はどこだったの?」

「私はK高等学校でした。」

「え!宙と同じ高校だったの?」

「え!じゃあやっぱりバスケ部のキャプテンなんですか?」

「そう!バスケ部だったわ」

「バスケ部キャプテンの澄川 宙先輩とは同姓同名の人だと思ってました。ハハハ」

「でもどうして別人だと思ったの?」

「ああ…高校生の頃の先輩は笑顔が印象的でしたが、会社ではクールな感じで雰囲気がかなり違っていたし、私は新入社員で余裕がなくて…ハッキリとわからなくて〜へへへ」

「そうだったの〜。宙はある事がきっかけで女性不信になった上、ストーカー被害にあったりしたから女性に警戒心が強くなっちゃったの……でも、凛ちゃんには普通よね?!」

「う〜…ん。私も喫茶店でストーカーに間違われて怒鳴られて、マスターが常連客だと誤解を解いてくれて、昨日は勘違いしたお詫びにナポリタンとコーヒーをご馳走になったんです。転んだり、空き巣にあったり警戒心を持つ意味もない子だと認識されたからだと思いますよ」

お母さんはぶつぶつ小声で呟いていたので「昨日…宙がお詫びね〜。仁君のおかげかなぁ」
という言葉は注文したお料理が届いたので、凛には聞こえなかった。

凛ちゃんへの宙の行動は、明らかに今までとは違う事に嬉しい気持ちになった母だった。
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